高級住宅地に住む庶民

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日大アメフトの伝説的会見「戦略的会見」VS「場当たり的会見」

皆様ごきげんよう。

今日は、最近テレビでも新聞でもネットでも話題の日大アメフト問題についてしょみ子的に考察してみますわよ。


日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大の選手が関学大のQB(クォーターバック)に危険なタックルをして負傷させたことが問題になっていますよね。

指示したのは監督やコーチなのか?

それともコーチの言葉を勘違いして受け取り、危険なタックルをしてしまった二十歳の選手の受け取り方に問題があったのか?


両者が記者会見をしましたが、いやぁ、皆さまどう思いました?

もうこれって多くの人が同じ印象を抱いたと思うんですよね。


誠実で勇気ある会見をした二十歳の選手。

一方で自分の非をうやむやにし、統制の取れていない場当たり的なウダウダ会見をしてしまった大学側。


この二行を見比べただけでも、二十歳の若者を応援したくなってしまいます。


この2つの会見は、「理想的会見」「ダメな会見」の見本でもあると思うんです。

そしてその2つはどちらも伝説級。


2つの会見を比較してみましょう。

【記者会見の会場】
選手側:日本記者クラブ
大学側:日本大学


【同席者】
選手側:選手本人と弁護士
大学側:監督とコーチのみ


【司会者】
選手側:日本記者クラブ企画委員
大学側:日大広報部



この時点で5段階で評価するとしたら


【記者会見の会場】
選手側:日本記者クラブ 5
大学側:日本大学 3


【同席者】
選手側:選手本人と弁護士 5
大学側:監督とコーチのみ 1


【司会者】
選手側:日本記者クラブ企画委員 5
大学側:日大広報部 3


なわけなんですよ。

選手側が会見をするときに、大学を選ばずに日本記者クラブを選んだこと、そして弁護士を同席させたことはベストな戦略だったのではないかと思うのです。

会見をさせるくらいなのでご両親も同席したかったのではないかと思うんですが、親は自分の子に関しては感情的になってしまう生き物。

少しでも親の感情的な姿を見せてしまっていたら、ここまで誠実な彼の姿を印象づけることは出来なかったかもしれません。

だから同席しなかった決断も良かったと思います。

弁護士のアドバイスなのか、自分たちの決断なのか、はたまた記者会見アドバイザーみたいな会社に依頼していてそこから指示されたのかはんかりませんが。

もしも仮に大学側が選手の記者会見を許したとして。

会場は日本大学になっていたことでしょう。

弁護士を同席させてもらえたかどうか。

世間から勇気があると評価された顔出し名前出しはなかったのでは?

自分の知っている事実を話すことが出来たかどうか。

しかも司会者は、日大が会見した時と同じように記者を失笑させ全く仕切ることが出来なかった日大広報部になった可能性も高いですよね。


それを想像しただけでも、かなりのウダウダな会見になったことだと思います。

今回のような誠実な印象を与える会見にはならなかったはずです。


今回のことでしょみ子は思った。

記者会見をする時に「箱」選びって大切なんだ、と。

(ここでいう箱とは、会場・司会者・同席者などのことで。)


「こんな内容を会見で話そう!」「これを話すことでこういう印象を世間に与えよう」と会見の中身をいかに練っても、中身を全て出し切れる箱がないと消化不良で終わるどころか、悪印象を与えかねないですからね。


これって勉強でも同じだな。

外枠を見ずに中身である勉強をひたすらするよりも、自分が目指すべき未来と全体を見て試験や勉強の緩急をつける方が要領よく出来るといいますか。


いやいや、もっというと全体を見て冷静な判断とアドバイスが出来る専門家の存在が重要なのか。

会見をした選手側のプロデュースは誰がしたんでしょうね。

二十歳の学生本人ではないと思うので、親?弁護士?それとも記者会見専門のアドバイザーがいる会社にトータルコーディネートを依頼した?

何にしても、顔出し実名出しという本人からしたら将来にリスクを背負った中での、非常に誠実な会見でした。


いやー、そう思うと日大側の会見。

あれは酷かった。

特に日大側の司会者は強烈。

大学アメフト側の自らの意思で行われたはずの記者会見を、1時間45分で強制終了しようとした司会者。

その強制終了の言葉も一転二転。

脇役に徹してその場を日大側に有利になるよう、しかもそれがあからさまにわからないように仕切らなくてはいけないはずの司会者。

それなのに、記者と応酬して挑発に乗ってしまい失笑を買う司会者。

日大側にも無視されてる司会者。


司会者が記者とやり取りをしてはいけませんよね。

だってやり取りをするのは、慎重に言葉と内容を選んで発言する監督とコーチなんだから。


日大の会見の司会者は日大広報部の人間ですが、元々は共同通信社の記者だそうです。

自分も記者ならわかっていたことでしょうよ、記者会見に臨む記者たちがいかにツワモノかということが(テレビを見ている一視聴者のしょみ子さえもそんなの知ってるぞ)。

口で勝てるわけない。

いや、そもそも勝ち負けではない。

勝ち負けの舞台に司会者がのってはいけないでしょうに。



って、何だか長くなっちゃいましたが、そんなことを感じた会見なのでした。


今回の教訓。

「謝罪会見にしろクレーム処理にしろ、何も考えずに公の場に出たらダメ」

あら、うちの子がご機嫌を損ねてきたわ。

それでは皆さまごきげんよう。

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